【令和8年4月1日施行】民法等の一部を改正する法律(父母の離婚後等の子の養育に関する見直し)について
最終更新日:2026年03月27日

 令和6年5月17日、民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が成立しました。
 この法律は、父母の離婚などに直面する子の利益を確保するため、子の養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権・監護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する民法等の規定を見直すものです。
 この法律は、令和8年4月1日より施行されます。

改正点について

(1)親の責務に関するルールの明確化 親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、こどもを育てる責任と義務についてのルールが明確化されました。
●こどもの人格の尊重
こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。こどもの利益のため、意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。
●こどもの扶養
こどもを養う責任を指します。こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければいけません。
●父母間の人格尊重・協力義務
父母は、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもの利益のため、互いに人格を尊重し協力しなければなりません。次のような行為は、この義務に違反する場合があります。
・父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷、濫訴等
・父母の一方が、他方による日常的なこどもの看護に、不当に干渉すること
・父母の一方が、特段の理由なく他方に無断でこどもを転居させること
・父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、その一方が、特段の理由なく、その実施を拒むこと
など
※DVや虐待から避難するために必要な場合などはこの義務に違反しません。
(2)親権に関するルールの見直し 父母の離婚後の親権者の定めの選択肢が広がり、離婚後の父母双方を親権者と定めることができるようになります。
【父母双方が親権者である場合】
・日常生活に必要な、食事や着る服、短い旅行、予防接種、習い事などは父母のどちらかで決めることができます。
・こどもの住む場所を変えることや将来の進学先を決めること、心と体の健康に大きな影響を与える治療やこどものお金の管理などについては父母が話し合って決められます。意見が対立するときには家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることもできます。
【一方の親が決められる緊急のケース】
暴力や虐待から逃れるために引っ越すこと、病気やけがで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらでも1人で決めることができます。
(3)養育費の支払い確保に向けた見直し ・文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって、一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。
・離婚時に養育費の取り決めがなくても、取り決めるまでの間、こどもと暮らす親が他方の親へ、こども一人あたり月額2万円の養育費を請求できる制度です。離婚後もこどもの生活が守られるように設けられました。養育費が決まるまでの暫定的、補充的なものです。
※法定養育費は父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。
・家庭裁判所は養育費に関する裁判の手続きをスムーズに進めるために収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きを行うことができるようになります。
(4)安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し 親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。
・家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。家庭裁判所はこどものためを最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し実施を促します。
・父母が離婚中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない時は家庭裁判所の審判等で決めることがルールとなります。
・こどもと祖父母などとの間に親子のような親しい関係があり、こどものために必要があるといった場合は、家庭裁判所はこどもが父母以外の親族との交流を実施するよう定めることができることとしています。

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